小児における肘の外傷(ケガ)の中で最も頻度の高い疾患の一つです。
2〜6歳に多く、再発を繰り返しながら、いつのまにか加齢(かれい)と共に発生しなくなります。
子どもが急に手を引っ張られたり、腕を下にして転んだりした際、急にその腕が上がらなくなります。
こどもは、泣き叫ぶでしょう。
原因について、考えてみよう。
左の腕(うで)の骨について、見てみよう。  
左上腕骨(じょうわんこつ)側  
親指側
尺骨(しゃっこつ) 橈骨(とうこつ)  
左手の方  
橈骨の頭には、輪状靭帯(ピンク色のもの)があります。この靭帯は橈骨が下の方に抜けないよう、橈骨を固定しています。
左肘を前から見ている 左肘を外側から見ている 1は橈骨(とうこつ)の頭
2は頚部(けいぶ)。
輪状靭帯は頚部のまわりにまきついている。
子どもの橈骨
橈骨が成長中で、橈骨頭が棒のような状態のため、ちょっとした外力で輪状靭帯から橈骨頭が抜けてしまいます。
大人になると橈骨頭が大きくなり、くびれができるため、輪状靭帯から外れることはなくなります。
左のアニメで黄色が靭帯(じんたい)を表します。
橈骨頭が輪状靭帯をくぐり抜けて発生します。
肘内障は骨折と違って腫れを認めないのが特徴です。
整形外科を受診しよう。