http://www.tahara-seikei.com/1000.htmをご覧下さい。整形外科医多原先生による解説がみれます。
膝伸展機構とは、「大腿四頭筋」ー「大腿四頭筋腱」―「膝蓋骨」―「膝蓋靭帯」―「脛骨粗面」より構成され、膝を伸ばす時に使われる筋肉や腱、靭帯を言います。
オスグッド病
成長が盛んな小児期にスポーツ活動などによって膝蓋靭帯の付着部である脛骨粗面(左の図)に痛みや腫れをもたらす疾患です。10歳〜15歳の男子に多く、サッカーやバレーボール、バスケットボール、陸上競技、野球などの選手によく認められます。90%程度は軸足に発生します。

脛骨粗面とは
膝蓋骨(しつがいこつ、さら)の約3cm下の骨の出っぱりです。

原因
膝を伸ばす運動のやりすぎによって、膝蓋靭帯が異常に引っ張られ、骨端線(成長線)が損傷されて起こります。

左のレントゲン写真は、脛骨粗面の上にある骨端線で、骨が破壊(はかい)されています。壊れた骨は脛骨粗面周辺で固まりふくらみます。この周辺で痛みがでます。

ジャンバー膝
ジャンプやキック、急激なストップ動作を繰り返すスポーツ活動によって起こる膝蓋骨(お皿)を中心とした痛みを総じて言います。ジャンプやキックの際に、膝を伸ばす運動のやりすぎで発生します。
ジャンパー膝の大半(60〜70%)はお皿の下部の痛みです。ジャンパー膝はバレーボールやサッカー、バスケットボール、体操などの選手によく認められます。症状は膝蓋骨周辺の痛みです。痛みは運動時に増悪し、安静にて軽快します。診断にはレントゲン検査が不可欠です。以下の3種類が一般的な病名です。

大腿四頭筋炎

膝蓋靱帯炎膝蓋骨の上部に痛みを認める

Sinding-Larsen-Johansson病
膝蓋骨の下端に骨片や骨化異常、石灰像を認める

膝蓋靱帯炎
膝蓋靭帯に痛みを認める

円板状半月板損傷
小児の半月板損傷は、大半が円板状半月板損傷です。先天的な形態異常である円板状半月は内側にも外側にも発生しますが、その殆どが外側です。円板状半月は、正常の半月板より厚く大きいため、常に大腿骨と脛骨の間に挟まれ衝撃を受け、壊れ易い状態にあります。このため、軽微なケガでも容易に損傷します。
症状は膝の屈伸で引っかかりを訴え、「コック」という音や運動障害(膝を完全に伸ばす事が困難な状態)を認めます。
右膝の半月板
(大腿骨と下の骨との間にありクッションの役目)
正常な半月板を上から見たところ
生まれたときから異常な円板型の半月板
前十字靭帯損傷
前十字靭帯損傷の典型的な膝の状態は、「膝が内側に入り、かつ、つま先が外側を向いている状態」で踏ん張ったり、膝を伸ばしたり、急にストップしたり、高いところから着地したりといった動作をした場合に容易に前十字靭帯が損傷すると言われています。
バスケット、スキー、バレー、サッカーなどで起こりやすい。
受傷後3週間くらいまで
  ・受傷時、「ベキッ」とか「ボキッ」とかの音を感じる。
  ・受傷時は膝を抱えてうずくまるが、しばらくして立てるようになると膝が何かグラグラと不安定な頼りない感じになる。
  ・受傷後時間経過ともに膝関節の腫脹(はれ)がみられる。
  ・病院で膝に注射をすると新鮮血(膝関節血症)がみられる。
  ・これらの症状も1,2ヶ月で徐々に消退していく。
慢性期(受傷後3ヶ月以後)
  ・膝くずれ:歩いていたり急に振り向いたりするときなどに、膝がガクッとして崩れてしまう現象
  ・大腿四頭筋の萎縮:太股の筋肉が細くなる
  ・二次的に半月板や軟骨損傷を引き起こし腫脹、疼痛を起こすようになる。
  ・膝がはずれるような気がしてスポーツができなくなる。
前十字靱帯の損傷の場合、靱帯がない左のアニメのようになるでしょう。膝下の骨が膝より前に出るようになります。
他にも、後十字靱帯損傷、腸脛靱帯炎、離断性骨軟骨炎、下腿疲労骨折などがあります。
多原先生のホームページをご覧下さい。