肩関節、つまり上腕骨ははずれやすい。なぜだろう?
右側の股関節(こかんせつ)
 右に示した股関節(こかんせつ)では、絵のように大腿骨(だいたいこつ)が関節内に深くはいりこんでいます。これにくらべて上腕骨は関節内に深くはいりこんでいません。
はずれやすく、ずれやすいわけです。
 腰(こし)から出ている骨を大腿骨(だいたいこつ)と言います。この骨が骨盤(こつばん)のくぼみにはいりこんでいます。
右側の肩 右側の骨盤(こつばん)の一部
上腕骨がはずれないようにする仕組みはなんだろう?
袋:
上腕骨のてっぺんの骨頭と肩甲骨のくぼみ(関節窩)との関係は、ボールと受け皿の関係と同じです。
骨頭がずれ落ちないよう、くぼみにはまった骨頭のまわりは袋で固定されます。
上腕骨の上に伸びた筋肉の腱:
この腱は、袋の下を通って、くぼみの上に付着しています。この腱が動くことで、骨頭がくぼみからはずれないようにしています。
4つの筋肉の腱:
肩甲骨の前側と上腕骨の間にある筋肉と肩甲骨の後ろ側と上腕骨の間にある筋肉の腱が寄り集まっています。くぼみから上腕骨がずれないようにしています。
棘上筋:
4つのうちの一つであるこの筋肉は、骨頭の上の部分に付着しています。骨頭が上にずれないようにしています。
骨頭の上にかぶさる大きな袋:
すべての関節の外にある袋の中で一番大きな袋です。棘上筋の上にかぶさります。
靭帯:
骨頭とくぼみの周りには、いろいろな靭帯が骨と骨を固定しています。
上腕骨の上に伸びた筋肉の腱(上腕二頭筋長頭腱)の役割は何だろう?
アニメのように、上腕骨が色々な角度に動いても、骨頭がくぼみの中心からずれていかないようにコントロールしています。
4つの筋肉の腱はどこにあるのだろうか。もう一度、見てみよう
下の絵に示した4つの筋肉(青色)が上腕骨の骨頭(ほねのてっぺん)にくっついています。
これら4つの筋肉の腱が合わさったものを腱板(けんばん)といい、これが屋根のようになって、上腕骨は肩より上にはずれないようになっています。
背中側から見ています。
筋肉名は、棘上筋、棘下筋、小円筋です。
お腹側からみています。
筋肉名は、肩甲下筋