月という漢字はからだを、要はまとめるという意味を表します。
腰は、からだの要です。体重の70%にあたる上半身を支えています。
特に、5番目の腰椎(ようつい)に負担がかかります。
10歳前後で、前かがみから急激な回旋を伴った後ろ反りの運動を繰り返し行うとどうなるでしょうか。
体操や柔道、野球、重量挙げ、サッカー、バレーボール、バスケットなど。
前かがみの動作で、上の骨の突起物がテコのようにはたらき、下の骨の同じ部分にいつも力がかかり、骨折(こっせつ)するようです。ちょうど、飛行機が何十万回と飛ぶうちに機体が風の力で金属疲労を来たし、やがて破損する状態とよく似ています。これが脊椎分離(せきついぶんり)です。
10歳前後の男性に好発します。ある論文では少年野球のメンバーの内、3人に1人が分離症があると報告されています。
原因は遺伝的要素(先天性)も考えられますが、多くは小児期に繰り返される激しいスポーツ活動によって起こる疲労骨折と考えられています。
整形外科のお医者さんでレントゲン写真を撮ると、左のような写真になります。
黄色で囲んだ骨は、あたかもテリア犬の形に近いものです。
脊椎分離を起こすと、赤色で示すように、この犬の首あたりが折れた形になります。
腰の痛みが長く続くとき、整形外科医を受診しましょう。
次に、脊椎分離の後に、脊椎すべりが起こります。
何故(なぜ)、前にほねがすべるのでしょうか。
4番と5番の腰の骨は、生理的に背中からお腹のほうに動きやすいからです。
このバランスで、私たちは2本足で立つことができるのです。
脊椎分離になるとどうなるでしょうか。
腰痛
成人に見られる様なお尻の痛み、足先にひびく痛み、シビレ感などを訴える事は殆どないようです。4番または5番あたりの腰椎あたりに痛みがあります。また、うつぶせで、4番または5番あたりの腰椎を押さえたとき、痛みがでます。
脊椎すべりになるとどうなるでしょうか。
分離と同じような痛みがあるようです。大人になってから痛みがひどくなるため、子供のときに、分離を直すようにしなければなりません。
腰に負担がかかる運動はあまり良くありません。
下のアニメのような運動は避けましょう。ウエイトリフテイングも成長期のこどもには良くないでしょう。